「京町家」ってどうして涼しいの? 町家造りの秘密とは……
主に以下のポイントが、町家の涼しさの“秘密”と言えるでしょう。
●表格子
町家の通りに面した表側は、「表格子」と呼ばれる格子戸になっています。通風をよくし、光を取り入れるほか、外から中を見えにくくするブラインドの役目も。
●虫籠窓(むしこまど)
中二階部分に作られた、格子状の窓。これも通風の役割を担っていました。
●庭
一つは「通り庭」。町家の表から奥までを貫く土間のことですが、この土間部分が、人の通り道であると同時に風の通り道に。また、建物の中に、「坪庭」(小さな庭)が設けられているのも町家の特徴。
夏場には、この坪庭に打ち水をし、暑い表通りとの温度差をつくって風を呼び込みました。
●「すだれ」、「すど」などのインテリアの工夫
建物の造りや間取りだけでなく、室内の装いにも工夫が。夏になると「建具替え」と言って、襖や障子を、すだれや簾戸(すど。すだれをはめ込んだ建具のこと)に替え、風を通し、見た目の涼しさも演出していました。さらに床には、網代(あじろ)や藤筵(とむしろ)といった、天然素材で編んだ敷物が敷かれました。
■市内には、京町家の賃貸物件も
京町家は、建て替えられたり改装されたりしながらも、多くが伝統的な造りを保ったまま現存しています。