今年(2012年)の3月に初代のぞみである300系が引退した新幹線。
現在は最新のN700系車両が多く見られるようになってきましたが、このN700系の特徴として、東京~新大阪間での公衆無線LANによるインターネット接続が利用できるようになっています。
それにしても、300km近くの高速で移動する新幹線の車両の中で、なぜ無線LANによるインターネット接続が安定して利用できるのでしょうか。
そこで、今回はその仕組みに迫っていきたいと思います。
■N700系車内での通信の仕組み
まず、N700系の各車両にはそれぞれ2カ所ずつの無線LANアクセスポイントが設置されており、車内の利用者はこれを経由してインターネット通信を行うことができるようになっています。
そして、車内のアクセスポイントを経由したデータは、LAN経由で車内移動局に集約されたのち、地上の設備とやり取りをします。
ここで、東海道新幹線の車内と外部との通信方法について紹介しましょう。
もともと、1964年の開業当初は、山などに設置した基地局と車両内の移動局との間で通信を行う「空間波方式」を利用して、指令室と乗務員との交信など業務系通信を行っていました。