ところが、その大気は約96.5%が二酸化炭素で占められており、それによる温室効果のため、表面温度はなんと摂氏400~500度にも達します。
これは、金星よりも太陽の近くを回っている水星の表面温度よりも高く、太陽系で一番暑い(…というより熱い)惑星なのです。
そのうえ、そこに浮かぶ雲は、二酸化硫黄からできており、それが降らす雨は「硫酸の雨」となっています。
ローマ神話の愛と美の女神「ヴィーナス」とも呼ばれている金星ですが、このようにその正体は、地球から見た美しさとはかけ離れた、灼熱(しゃくねつ)と強い酸性のまさに地獄の惑星です。
■ 金星は仲間はずれの星?
地球をはじめ、太陽系の惑星では太陽は東から昇り、西へ沈んでいきます。
しかし、金星だけは太陽系の惑星の中で唯一、西から太陽が昇り、東へと沈んでいきます。(昔のアニメソングでそんな歌詞がありましたね)
これは、金星の自転だけが逆回転をしているために起こる現象です。なぜこうなってしまったのかはよく分かっていませんが、一説によると、はるか昔、金星に別の大きな星が衝突したことで、その衝撃により自転軸がひっくり返ってしまったためではないかと考えられてします。