【エンタメCOBS】意外と知らない法律の「へー」な話
と全く同じ規定が、はるかな昔、鎌倉時代の『御成敗式目』にもあるのをご存じでしょうか。御成敗式目は1232年8月27日に成立していますので、780年も前の武士政権の法令ですが、その第八条に「土地占有之事」というのがあるのです。これによると「御家人が20年間占拠していた土地は、所有者が現れても返還しなくてもいい」と定められています。
「一所懸命」の言葉通り、武士はそもそも自分の土地に命を賭ける存在です。土地の所有に関するトラブルを解決する機関として、鎌倉幕府は全国の武士から信望を集めたに違いありません。一定の期間が過ぎたら、その土地の所有権は実効支配の事実をもって決するという、一種の時効制度、これを「年紀法」と言います。年紀法の精神は約800年もの時間を超えて現代まで受け継がれているわけです。
■源泉徴収っていつ始まった!?
税法に目を向けて見ましょう。
「源泉徴収」という方式があります。例えばサラリーマンの場合、給与支払者の会社のところで税金をとられており、その税金は会社から国に納付されるために個人としては関与しようがありません。サラリーマンにとってはイヤな制度ですが、国にとっては川上で一網打尽に集金できるいい仕組みなわけです。