いなり寿司を食べれば福が招ける!? 今年の初午、3月12日には、いなり寿司を食べてみては?
「おいなりさん」と言えば、子どもの頃に遠足やお花見などに食べたりした思い出の多い料理のひとつかもしれません。そんな「いなり」だけを特集した『いなりの本』が発売されているのを知っていますか。「いなり」だけで一冊の本が作れるなんて、ちょっと驚いてしまいますね。
この『いなりの本』は、凍り豆腐や油揚げなどを製造する、みすずコーポレーションが創業110周年を記念してつくったもの。本の中では、全国の有名な稲荷神社や、さまざまないなり寿司が紹介されています。
「いなり」と一言で行っても、そのバリエーションは本当にさまざま。例えば、関東の「いなり」は醤油感が強い味付けで、色も濃い目、形は俵型。それが、北陸や関西、中国四国では、味付けは控えめ、色も薄目になります。また形も俵型だけでなく、関西や中国四国では三角形のところもあるのだとか。
甲信越や東海では、鰹ダシをベースにした「あまから」味であるのに対し、北海道や東北では醤油感と甘みが強い「あまじょっぱい」味に。九州は甘い味付けが好まれる傾向にあり、色は薄目でありつつも関西よりは濃いのだそう。このように「いなり」は地域色の強い食べ物なのですね。
さらにもっと新しい発想から生まれた「変わりいなり」も。例えば、沖縄県産の黒糖を使った「黒糖いなり」、高知県産のゆず果汁を使った、さわやかな「ゆずいなり」、紀州産の梅酢を使った「梅いなり」などのほか、あんずやりんご、レモン、ぶどうといった果物の果汁も使用されるというから、その味を想像するだけでも興味深いですね。