制定10年を迎えた「マタニティマーク」の今


■過剰な配慮を要求する「妊婦様」の存在

制定10年を迎えた「マタニティマーク」の今

マタニティマークによる社会の配慮が増える一方で「席をゆずられてもお礼をいわない」「混んでいるのに席をつめない」「できる仕事を拒否」など、過剰な配慮を求めるとして「妊婦様」という言葉が生まれています。

今回のアンケートでも「実際にそのような(妊婦様のような)態度をとる人に、遭遇したことはありますか?」という質問があり、「遭遇した」という人は791人中、74人と9%存在することが分かりました。

交通機関にとどまらず、職場でも妊娠中であることを後ろ盾に、優遇されようとする人がいるようです。マタニティマークの存在が影響しているかは分かりませんが、そうした態度が「妊婦」という立場を危うくさせてしまう可能性も少なくないはずです。


■マタニティマークをつけない理由「いらない反感は買いたくない」

制定10年を迎えた「マタニティマーク」の今

アンケートではマタニティマークを持っていながら「つけなかった」、あるいは「持っていない」という人も多くいる(いた)ことが分かります。その理由については「嫌がらせなどが怖い」「席を譲ってほしいと訴えているようで抵抗がある」が同数で最も多く各33%。「公共交通機関で外出しないから」という意見が19%ありました。

「優先されて当たり前と勘違いしないでほしい」「幸せアピールに見えてイヤ」など、マタニティマークに嫌悪感を示す意見を受けて、「自慢しているみたいって声を聞いてから、つけなくなった」とつけない選択をする人や「通勤時間帯など、混んでいる時間はなるべく避けている」といった対処をする人もいるようです。

一方で「マタニティマークは堂々とつけるべき。外出先で倒れたり何かあったとき、初期の頃のおなかでは気付いてもらえないし、きついのはおなかが出ていないときだから。あと妊婦様という言葉が良くないと思う。普通の人で妊娠していない人がマタニティマークを付けて電車に乗っているという話を聞いたことがあり、そちらのほうがよっぽど悪質だと思います」という意見も。
妊娠していない人が、妊婦であることを利用するケースも実在するようです。

マタニティマークの認知度が高まるのはうれしいこと。けれど、反感を持つ人や妊婦様などの問題も浮上しています。優先すべきは命を授かっている体をいたわること。マークを身に付けることで事情の分からない人にも「伝わる」ことは妊娠初期のトラブル対処にもつながります。「節度と配慮」。この両方を自分と、そして社会全体が持てるような未来を目指していきたいものですね。

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