2015年11月19日 08:00
ローラン・グラッソの日本初個展「Soleil Noir(黒い太陽)」が銀座エルメスで開催
展示作品「Studies into the Past」(過去についてのスタディ)
フランスに在住する最も革新的なアーティストに与えられるマルセル・デュシャン賞を2008年に受賞したアーティスト ローラン・グラッソの日本初の本格的個展が銀座メゾンエルメス フォーラムで開催されている。
近年大きな注目を集めるローラン・グラッソの作品の多くは、歴史的資料や化学文献のリサーチに基づき、神秘的な出来事や伝説、超常現象などを様々な手法で描き出したもの。
本展では、そのスタイルを踏襲しながら日本で起きた超常的、超自然的な現象を描く新作が多数展示されている。ローラン・グラッソが表現する1914年の桜島の噴火や、縄文時代の仮面、1803年に常陸地方で発見された未確認物体をテーマにした作品は、歴史資料館や博物館から借用されたのか、と思うような不思議な存在感とリアリティを放つとともに、時を経た現実が時に幻想的でフィクションのように奇妙であることを感じさせる。
また、15~16世紀のフランドル絵画やルネサンス以前のイタリア絵画の様式と技法を用いて、当時ほぼ描かれることのなかった日食、オーロラー、隕石などを描いた絵画作品は、その制作手法、その中に描かれる当時の世界、そして作品が誕生した現在という複数の時間を孕みながら、我々の前に現れ、奇妙で不思議、そして神秘的な感動を引き起こす。