くらし情報『テーラー鈴木健次郎1/3--パリで頂点を極めた日本人【INTERVIEW】』

テーラー鈴木健次郎1/3--パリで頂点を極めた日本人【INTERVIEW】

日本で専門学校を出てからは、東京コレクションで作品を発表するニューヨーク・パーソンズ出身のデザイナーと組み、パタンナーとして活動をしていました。そのデザイナーの周りにいるアーティストの多くが、たまたまパリのカルチャーに影響を受けている人が多かった。それで、美しい物作りをするにはパリだ、と思ったのです。テーラーになりたいから、パリにやって来たのではありません。普通、テーラーを目指す人はイギリスやイタリアへ行くと思います。

――私もパリに住む日本人ですが、パリでの苦労は多いのでは?

フランチェスコ・スマルト(パリ最高峰のテーラー、鈴木は日本人初のチーフカッターを務めた)に入社してから、人間関係に難しさを感じました。プレタポルテの業界では共通語が英語だったりもしますが、テーラーはフランス語が基本言語で、先ず言葉で苦労します。

職場は普通に40年以上働いている人が多く、その世界は閉鎖的です。
外国人、例えばイタリア、スペイン、モロッコなど様々な人種構成で、我こそがカッターになる、と狙っている人ばかり。そういった中では当然摩擦が起きるものです。「お前なんか出ていけ」と面と向かって言われることもありました。

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