2023年8月24日 15:20
映画『ヨーロッパ新世紀』監督にクリスティアン・ムンジウ、人間の対立と凶暴性を描いた社会派サスペンス
民族、宗教、貧富の格差などの問題に根ざした住民の不満が暴発し、EUが推進するリベラルな政策やグローバル資本主義の歪みをも浮き彫りにする、刺激的なスリルと寓意に満ちた映像世界に注目だ。
監督はルーマニアの巨星、クリスティアン・ムンジウ
監督を務めるのは、社会と人間を鋭く見据えた作品を多く生み出すルーマニアン・ニューウェーブの潮流を牽引してきたルーマニアの巨星クリスティアン・ムンジウだ。カンヌ国際映画祭パルムドール受賞の『4ヶ月、3週と2日』、カンヌ国際映画祭監督賞を受賞した『エリザのために』などを手掛け、今回の映画『ヨーロッパ新世紀』は、6年ぶりの作品となる。
映画『ヨーロッパ新世紀』のクライマックスでは、17分間にも及ぶ怒涛の長回しショットで撮影。鮮烈に映像化された、他人事ではいられない“壊れゆく世界”の有り様が映し出される。
映画『ヨーロッパ新世紀』あらすじ
鉱山の閉鎖によって、経済的に落ち込んだトランシルヴァニア地方の村。そんな村に、出稼ぎ先のドイツで暴力沙汰を起こした粗野な男マティアスが帰郷する。しかし、疎遠だった妻との関係は冷めきっており、森でのあることをきっかけに口がきけなくなった幼い息子、病気で衰弱した高齢の父への接し方にも迷うマティアスは、元恋人のシーラに心の安らぎを求める。