2024年1月26日 19:35
英国ロイヤル・オペラの日本上演『リゴレット』『トゥーランドット』東京文化会館や神奈川県民ホールで
登場人物それぞれが善悪含めた複雑な心を持ち、その揺れ動きをヴェルディの音楽によってより強く映し出している。
マントヴァ公爵が“美術と女性の蒐集家”であったことをドラマの根底に織り込んだ、オリヴァー・ミアーズによる演出で上演される。
『トゥーランドット』
一方の『トゥーランドット』は、ジャコモ・プッチーニによる最後の作品。中国・北京を舞台に、絶世の美女だが冷たい心の持ち主トゥーランドット姫をめぐる愛の物語だ。ヴェルディの『アイーダ』と同様に、音楽性に加えて、スペクタクル性やエンターテインメント性を備えた作品として人気を集めている。
『トゥーランドット』は、英国ロイヤル・オペラで上演された40年の間で、何度か演出がバージョンアップされているのも特徴。細部に至るまでのこだわりに加えて、新鮮さや鮮やかさをもたらす色彩、さらにスピーディになった力強い振付などが挙げられる。中でも印象的な変更点は、オペラの開演前にすでにカーテンが上がっており、深紅の吹き流しが滝のように下がっていることだろう。
演出は、かつての日本上演時にも演出を務めたアンドレイ・セルバンが担当。1986年の日本公演では、階段状の回廊、豪華な玉座に座った皇帝、豊かなイマジネーションをあらわす陰影に富んだ照明などで人気を博した。