くらし情報『ハルノブムラタ 2025年春夏コレクション - 研ぎ澄ます先に留めおく“動きと時間”』

ハルノブムラタ 2025年春夏コレクション - 研ぎ澄ます先に留めおく“動きと時間”

そこでは、ある種の素朴さ、野生性が、優美さへと昇華されているのだ。たとえば、円形を思わせるファブリックを、身体を横から包み込むようにして仕立てた、アシンメトリックなドレス。ミニマルなシルエットにギャザーを寄せることで、身体のシルエットを浮かび上がらせるドレス。何より、全身をラッフルでくまなく覆い尽くしたノースリーブドレスは、襞を作るという操作を徹底することで身体の形を織りなす、極限的な例だといえるだろう。

ところで、衣服と身体が織りなす造形、その一瞬を、衣服を通して捉えること──それはきっと、彫刻とパラレルなことなのだろう──は、今季のハルノブムラタの関心のひとつであった。こうした時間性は、色彩においても追求される、ブラックやホワイト、ベージュ、レッドなど、モノクロームを軸としたコレクションのなかで、ふとさし挟まれるグラデーション──ノーカラージャケットやトップスなどには、銀箔を硫化させて七色の色彩を織りなす「焼箔」の技法、その色彩の変化が生ずる時間の経過を、ファブリックへとおき留めている。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
漫画家・脚本家募集LPバナー 上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.