特集展示「百貨店と近世の染織」国立歴史民俗博物館で - 着物の販売と歴史的染織物の関係
特集展示「百貨店と近世の染織」が、千葉・佐倉の国立歴史民俗博物館で開催される。会期は、2016年10月18日(火)から12月18日(日)まで。
同館で同時期に開催される企画展示「身体をめぐる商品史」と連動し開催される「百貨店と近世の染織」。近代の百貨店が開催した展覧会をとりあげ、そこで実際に陳列された近世の染織品を展示する。
近代の百貨店は、多くが呉服商を前身としているため、女性の着物の販売注力していた。そして、 新柄の着物の販売を促進するために、歴史的な資料を参考品として陳列することが頻繁に行われていたという。
理由としては、新製品に歴史的な裏付けがあるという価値を与え、所持することの趣味の良さを訴えかける効果があげられる。展覧会内では、「慶長風俗展覧会」、「近松時代風俗展覧会」、「友禅遺品展覧会」と「友禅斎謝恩碑 落成法要」をとりあげ、近世の染織品がいかに利用され、文化が伝播されたかを示す。
見所は、近世の染織品とともに、それを参考にして制作された着物の図案の写真パネル。近世の染織品をもとに、どのように新たな製品がつくられたかが、具体的に見ることができる。また展示する近世の染織品のほとんどが、国内はもとより海外でも高い評価を得ている野村正治郎のものである点も注目のポイントだ。