2018年2月21日 21:15
ハトラ 2018年春夏コレクション - これまでの自分と向き合い、新たな一歩へ
ハトラ(HATRA)の2018年春夏コレクションは、ブランドのひとつの転機となった。これまで男女どちらでも着られるユニセックスのアイテムを主軸としていたが、今季はウィメンズラインをスタートさせた。
デザイナーの長見が学生時代に培ったのは、女性の身体にフィットさせるオートクチュールウェアの技法だった。しかし、自分の身体とは関係のないものではなく、自分も身近に感じられるユニセックスのワードローブから始めたいと、ブランドスタートから提案していたのは、あくまで性差を問わない衣服。それから6年。今なら自分なりの方法をもって女性を美しく見せられる服を表現できるのではないか。そう思い立ったのが今季のウィメンズラインのスタートに繋がった。
新たな一歩とも思える今季の表現として、肌を見せることへの寛容さを挙げたい。
これまで毎シーズン発表してきた前垂れのデザインは、スリットの大きく入ったタイトスカートとして女性らしいアイテムへとシフトした。最も特徴的な穴の大きく空いたトップスは、幾枚かをレイヤードしてスタイリングしている。しかしながら、実はその元をたどれば着想源はコルセットなどといった身体を守るもので、“隠すこと”を求めてきたハトラらしさに溢れている。