展覧会「夢二が愛した日本」竹久夢二美術館で - 夢二作品の“和”に着目、旅人として眺める日本の姿
展覧会「夢二が愛した日本 ─桜さく国のボヘミアン─」が、東京・竹久夢二美術館にて、2020年10月31日(土)から2021年1月31日(日)まで、事前予約制で開催される。
夢二作品の“和”の要素
センチメンタルな独自の画風の美人画を手掛けた、大正ロマンの画家として知られる竹久夢二。日本画や水彩画、油彩画、そして本の挿絵といった夢二の作品には、日本の郷愁と西欧のモダニズムという和と洋の要素が巧みに織りこまれている。
「夢二が愛した日本 ─桜さく国のボヘミアン─」は、そうした夢二作品がもつ“和”の要素に着目する展覧会だ。夢二が手掛けた日本画や水彩画、そして書籍の扉絵や口絵など約200点の作品から、懐かしく、“夢の国”をも思わせる日本の姿を紹介する。
“旅人”として日本を眺める
京都の舞妓と奈良の風景を描いた《加茂の露台 奈良の白壁》や、『万葉集』の歌を添えた《寧楽椿市》などに見るように、夢二は日本の伝統に郷愁や愛着を持つ一方で、1つの場に留まらずさすらう旅人に自らを重ねてもいた。本展の展示作品からは、盲目的に日本を懐かしむのではない、夢二独特の批評眼が感じられるだろう。
もちろん、夢二ならではの美人画の数々も。