ドルチェ&ガッバーナ 2021年春夏コレクション - “パッチワーク”で紡ぐシチリアの物語
ひとつのルックには、こうした異素材がミックスされることで、より一層パッチワークが生み出す多彩な表情が引き立てられていく。
中でも印象的だったのは、シフォンブラウス×ブロケードのパンツを合わせたルック。首元に大きなリボンが揺らめくシフォンブラウスは、その軽やかな質感によって、生地に広がるポップなパッチワークを幻想的な表情へとチェンジ。そこに色柄を計算した、艶めくブロケードのパンツをスタイリングすることで、柄×柄でありながらも、“奇抜さ”を一切感じさせないエレガントな女性像を描き出しているのだ。
リアルクローズもミックス
一方で今シーズンは、カジュアルな“リアルクローズ”を取り入れたスタイリングも散見された。優美なガウンの下に纏ったのは、白Tシャツ×デニムパンツというラフな組み合わせ。また高い職人技が伺えるテーラードジャケットにも、パッチワークを加えたデニムパンツを合わせることで、モダンなムードへとアップデートさせている。新たな価値を宿して
本コレクションを製作している際、70年代にインスパイアされた1993年のコレクションとも、類似点を見出したというデザイナー。
しかしながら、アーカイブから新たに作り出されたジャケットやスカート、パンツ、シャツといったアイテムは、“スタイル”であり、確固とした新しいビジョンを持っている。