2020年10月22日 14:50
ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン 2021年春夏コレクション - 無機的なアッサンブラージュ
とは言っても、互いに折り重なるようにして衣服にあしらわれ、ギラギラと光を反射するきらびやかさとは距離を置き、マットな質感で規則正しく布地の上に敷き詰められている。
ダブルブレストのロングジャケットやトレンチコートは、フロントを二重に重ねて。表には通奏低音であるスパンコールをふんだんに敷き詰めた。テーラードジャケットはスーツ地の端正なベースながらも、裾部分は下から上へと大胆なひだが織りなされ、ある種優美な表情が接木されているといえよう。
無機的な素材が生みだすモノトーンの豊かさ
実験室のクリーンルームさながらに、カラーは白と黒の純粋さにまとめられた。しかし、多彩な素材がアッサンブラージュ的に組み合わされ、人工素材がもつ光沢感や透け感、スパンコールの鈍いきらめき、あるいは内側を透かせて見せるPVC素材が、無機的ながらも豊かな表情を見せている。
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