2021年10月6日 18:00
スポーツマックス 2022年春夏コレクション、名作「4分33秒」の遺産を讃えて
スポーツマックス(SPORTMAX) 2022年春夏コレクションは、アメリカの現代音楽家ジョン・ケージが遺した音楽の研究に着想を得た。演奏者が一切音を奏でることなく、聴衆はその場で起きる音楽を聴くという代表作「4分33秒」を好例に、彼が描いた二極性<雑音と静寂>の著しいコントラストを、ファッションを通じて表現していく。
コントラストを描くファブリック
ケージによるコントラストの研究を顕著に表現しているのは、バリエーション豊富なファブリックからだ。肌を透かせるほど軽やかなガーゼやジョーゼット、チュールは、肌を覆うレザーやサテン、ジャカード、コットンと一線を画し、歩みを進めるごとに動きに富んだ“たおやか”な表情を映し出す。またそのシアーな素材を活かしたカラーコントラストも演出。ヌーディーなドレスからは、ネオンイエローのアクティブなショーツが顔を出す、意外性のある色遊びが印象的だ。
ダンスの世界にオマージュを捧げて
ジョン・ケージは、音楽だけでなく、生涯の友であった振付師のマース・カニングハムと共に<ダンスの領域>も追及した人物であった。そんな彼のライフワークにオマージュを捧げ、心地良く身体に馴染むニットやジャージウェアもランウェイの上に登場。