2021年10月1日 18:40
マメ クロゴウチ 2022年春夏コレクション - 故郷の春、朧げな景色
ブランドのシグネチャーでもあるシルクを用いた植物柄のジャカードは、京都の職人技術によって染色され、さくら色と藤色を混ぜたような絶妙な色味を生み出した。柄を描く繊細な糸は、あえて切らずに残すことで、たゆたうオーロラ色をより幻想的に見せている。
蚊帳越しに見る外の景色の曖昧さに美しさを見出した黒河内は、古来の蚊帳に使われている天然のリネンをもとにドレスとトップスを完成させた。“蚊帳から見る曖昧な女性の肌”は、黒河内の瞳に映った景色の尊さをしっかりと窺わせる。
初心に戻る“曲線のカッティング”
長野の思い出をなぞるこれらのファブリックに、黒河内の初心の心が加わる。特に象徴的なのが“曲線のカッティング”。デビュー初期のコレクションで採用したシルエットがアップデートされ、ウエストにカッティングが施されたテーラードジャケットやドレスとして提案されている。
異なる時間を繋ぐ穴でもあるというその曲線は、シンプルにカッティングされた曲線もあれば、もつれあう複雑な曲線もある。
そこには、黒河内の記憶の渦が感じられる。
朝霧のほのかな煌めきを思わせるアクセサリー
最後に、今季のバリエーション豊富なアクセサリーにも触れておくべきだ。