2020年5月31日 07:59
虫だって楽じゃない!? 『こんちゅう和かるた』で見えてくる昆虫の世界
「もしかしたらこんな気持ちなんじゃないか」など、昆虫目線で作られているので、昆虫の名前や姿かたちだけでなく、人生(虫生)観まで味わえるものになっています。
例えば、『カブトムシ』。
カブトムシは樹液やメスを巡ってオス同士が角を突き合わせて戦います。しかし、多くの場合戦う前に角の短い方が逃げていきます。ところが、逃げてるんじゃないんです。これ、実は「戦わずして勝つ」、つまり、無駄な争いはしないということ。何事も見極めが大事、人間にとっても教訓になりますね。
「ちはやぶる 神の使い」といわれる天道虫(テントウムシ)は、アブラムシと共にお互いを歌に詠んでいます。
「天道虫」という名前だけど太陽まで飛ばずにアブラムシを食べているというナナホシテントウの歌に対し、ソラマメヒゲナガアブラムシは本当に太陽まで行ってしまえばいいのに、と叶わぬ願いを詠んでいます。
食べる対象のアブラムシに何の感情も抱かない天道虫に比べ、食べられる運命を持つアブラムシの祈りの悲しいことといったら…。 今まで気にしたこともなかったアブラムシの方に共感してしまいます。
ハラビロカマキリは自戒の歌を詠んでいます。