富田林署脱走を引き起こした大阪府警は事件検挙率が全国最下位
小数点第3位以下は切り捨て。
寺澤さんと元刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平さんに、数値の裏を読み解いてもらった。
「認知件数は、万引や自転車泥棒などの軽犯罪も含まれます。時間も人員も負担の大きい重大犯罪が少なく、手厚いパトロールで軽犯罪の捜査にも力を入れられると、検挙率が上がる傾向があります」
検挙率を高めるためには、分母である認知件数を減らす努力、すなわち予防することが求められる。
「警察には定員があるので、人員の中でできることは限られています。そのため、急激に検挙の数を上げることは難しい。そこで検挙率を上げるには、分母である認知件数を減らす、つまり犯罪抑止することが大事です」
だが、中には間違った方向で検挙率が“操作”されることもある。’14年には、大阪府警が検挙率ワーストを脱するために、認知件数を5年間で8万件も計上しなかったことが大きなニュースになった。
そんな、大阪府警が管轄する富田林署で8月12日に起きた容疑者の逃走。
「強盗や強制性交の疑いで富田林署(大阪府)に逮捕された容疑者が、弁護士との接見後、接見室のアクリル板を壊して署から脱走。大阪府警は大失態を演じました。