くらし情報『22歳で起業した女性林業家「女性チーム」で斜陽業界の救世主に』

22歳で起業した女性林業家「女性チーム」で斜陽業界の救世主に

そうして、山を守る重要性をもっと広く伝えていきたいんです」

田中翔さん(32)は、株式会社ゆうきの3人目の社員だ。優佳さんとは林業研修の同期生。会社立ち上げ前から交際していた。そんな彼の目から見ても、優佳さんは特異な存在だった。

「研修員のなかでは21歳と最年少で紅一点。付き合う前から会社を立ち上げる話を聞いていて、驚きました」

優佳さんは、田中さんの隣で言った。

「彼は私をメンタル的に支えてくれていた。彼がいなかったら、どうなっていたんだろうと思う」

生活費を稼ぐため、田中さんはオンライン英会話のバイトをし、2人で弁当工場へ夜勤のバイトに行ったこともある。
そうやって会社を持ちこたえるうちに、少しずつ会社の仕事が増えだした。昨年は男女2人ずつ、4人が入社し、チームを組んで下草刈りや間伐、植林も請け負えるように。4人中3人が、移住者で、みんな志を持っている。2人の女性は43歳と37歳。1週間、チェーンソー研修を受け、林業の世界に飛び込んできた。

「女性だけのチームを作りたいですね。力仕事は男性にはかなわないけれど、女性は丁寧に植林してくれる。気遣いや周りを見る力は、女性のほうがあると思うんです」

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