コロナでGDP年率27.8%減 平均給与38万円ダウンの懸念
しかし、これはあくまで平均値。経済評論家の平野和之さんは、業種にも注意すべきだという。
「総務省統計局の家計調査では『2020年6月の消費行動に大きな影響が見られた主な品目など』が発表されています。リモートワーク、ステイホームの推進のため、マスクや石けんなどの衛生用品、ストックできる食品類、パソコンやゲームソフトの消費は伸びており、こうした業種で働く人には年収への悪影響は直ちにないでしょう。ところが映画・演劇等入場料は前年同月と比べると95.7%ダウン、パック旅行は90.7%ダウンと激しい落ち込みです。さらに紳士服や交通費などの出費も激減。これらの業界では平均以上、つまり2割、場合によっては3割の賃金カットもあり得ます」
緊急事態宣言が解除された7〜9月期はGDP成長率が反転し、10%超えの急成長になると予想する専門家もいるが、V字回復は難しいと、加谷さんは見ている。
「金融危機だったリーマンショックや、物価が急上昇したオイルショックも、どちらも経済活動は続いていました。
しかし今回は経済そのものが止まるという状況。以前の状態に戻すには、感染症への懸念を払拭するしかありませんが、感染状況は落ち着かず、冬場の大流行も懸念されます。