院内クラスターなぜ起きる?専門家語るエアロゾル感染の影響
エアロゾル感染で起きていると思います。旭川の病院でまず必要なのは、院内の中央空調の“再循環ダンパ(風量調整装置)”を閉じることではないでしょうか」
つまり、“暖房効率を上げるために室内の空気を再循環させるシステム”が、感染拡大の要因になりうるというのだ。あの客船ダイヤモンド・プリンセス号の大規模感染も同様だったのではと、清水教授は続ける。
「船内の空調は、中央ですべての冷暖房をコントロールする仕組みで、3割は新鮮な外気、7割は古い空気を再循環させるものでした。この7割にウイルスを含むエアロゾルが乗ると、再循環によってどんどんウイルスが蓄積され濃くなってしまいます。患者数が急増した船内では結局、途中からダンパを閉じたといいますが、“時すでに遅し”だったのでしょう」
乗客乗員3千711人のうち712人の患者が確認された同号の船内で治療にあたった、のぞみクリニックの筋野恵介院長は言う。
「あの客船の場合は、感染者がみんな同じ空間にいたことがポイントだと思います。その場合、ウイルスの濃度が高くなっていくので感染リスクはあるでしょう。
病院も同じで、感染病棟はそこに感染者を集めているので、そういう場所で循環すれば感染リスクはあると思います」