2020年12月31日 11:00
「入水自殺に備える」韓国“超学歴社会”に生きる若者の困難
■旧帝大・早慶・MARCHレベル以下は全員負け組?
――韓国は日本以上の“超”学歴社会だと聞きますが、実情はどれほどなのでしょうか。
「日本でいうところの旧帝大・早慶レベルだけがエリート扱いで、MARCHクラスでギリギリまともな就職が狙えるといったところでしょうか。
日本以上に『エリート層』『一般層』の範疇が狭く、受験戦争・就活戦線が激化しています」
――韓国の大学進学率は現在約7割で、OECD加盟国のなかでも2008年以来トップを維持。日本の大学進学率が短大を合わせて6割を切っていることも踏まえると、進学率は非常に高いですね。
「いわゆるFラン大と呼ばれるようなブランド力皆無の大学も存在しますが、それでも行かないよりは“マシ”という風潮がありますね。日本のFラン大と比べると、学力レベルは高いと思います」
■大卒=立身出世=勝ち組
――そもそもなぜ、韓国は日本よりも教育熱が高いのでしょうか。
「元をたどると、今の二十代の若者の祖父母世代に行き着きます。60年代の朴正煕(パク・チョンヒ)政権では大卒者が少なく、大学さえ出られれば、財閥級の大手企業に悠々と入ることができたんです。