2021年1月12日 06:00
ウイルス専門家「長期的に見ればウイルスは“弱毒化”していく」
「ウイルスはほかの生物の細胞のなかに入らないと生きていけないものです。つまり、必ず何かに寄生しないといけない。寄生した宿主を殺してしまったら、ウイルス自身も死んでしまう。長期的に見れば、ウイルスは宿主と共存するために、“弱毒化”していきます。天然痘のように強い病原性をずっと維持しているウイルスはありますが、“強毒化”していったウイルスは存在しません」(森田先生)
それでは新型コロナウイルスも自然の摂理で弱毒化していくのだろうかーー。
「新型コロナウイルスはインフルエンザウイルスよりもウイルス自体の毒性は低いといわれています。新型コロナウイルスに感染して重症化したり、命を落としたりする原因は、ウイルスそのものの病原性だけでなく、感染した人の免疫系の過剰反応によって、自らの体を傷つけてしまうことにあるのです。とくに55歳以上、肥満(BMI値24以上)、喫煙歴があると重症化リスクが、それぞれ2倍高くなることがわかっています。
また基礎疾患がある人もリスクが高まります。近い将来、このような高リスクの人でも重症化しにくくなるようなコロナウイルスの変異種が出現する可能性はあります」(玉谷先生)