2021年10月14日 15:50
自宅で使えて重症化予防…「コロナ飲み薬」がもたらすメリット
メルク社の日本法人は、年内中にもこの治療薬の特例承認を目指すとしている。実現すれば、どんなメリットがあるのだろう。
「ウイルスに直接作用する治療薬には、抗体カクテル療法とソトロビマブがありますが、どちらも注射か点滴による投与です。病院に行ったり、入院したりして医師が投薬する必要があります。これが、医療現場がひっ迫する大きな要因となっていました。しかし、飲み薬の場合、患者は通院や入院することなく自宅で服用することも可能。医療リソースの負担軽減につながり、第5波のときのように、自宅療養の患者が急変して死亡するケースも減少すると考えています」(玉谷先生)
メルク社が米国で行った臨床試験では、発症から5日以内の重症化リスクのある775人を、モルヌピラビルを服用したグループと偽薬を投与したグループに分けて比較。偽薬では入院や死亡した人の割合が14.1%だったが、飲み薬を使用した人では7.3%と重症化リスクが50%低下したという。
はたして、この新薬の登場は大きな一歩になるのか。日本より先にメルク社の飲み薬が承認される見込みのアメリカではどうだろうか?米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学の内科医、山田悠史先生が語る。