荻原博子さん指摘「補助金は焼け石に水…今こそガソリン税減税を」
1リットル165円でも高値に変わりはありません。
さらに政府は、石油の備蓄を市場に放出することも決めました。とはいえ、一時的な供給増で、ガソリン価格を安定的に下げることはできないでしょう。
そもそもガソリン代には数々の税金がかかっています。1リットル170円のうちガソリン自体は約98円で、ガソリン税や石油税をのせて約155円。そのうえ消費税で170円になるのです。ガソリン税など税金に消費税をかける「二重課税」も問題ですし、価格のほぼ半分が税金とは、何を買っているのやら。
「だったら、税金を下げて」と思いますよね。
実は、ガソリン高騰時には課税を一部取りやめる「トリガー条項」があります。平均価格が一定期間160円を超えたとき、ガソリン税の暫定税率分を翌月から廃止し、平均価格が130円を下回ったら、課税に戻す仕組みです。
トリガー条項が実施されると1リットル170円のうちガソリン税の暫定税率約25円に消費税を含めた約28円が課税されなくなり、ガソリンは1リットル142円前後になります。これならひと息つけるでしょう。
ただトリガー条項は、’11年の東日本大震災後に凍結され、実施には法改正が必要です。