2022年1月10日 06:00
両陛下が愛子さまに伝える「1300年前の女性天皇」の偉業
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例年であれば新年一般参賀が開催されていたはずの1月2日。天皇皇后両陛下は「元明天皇千三百年式年祭の儀」に臨まれた。
元明天皇は奈良時代、707年に47歳で即位した女性天皇だ。皇室の歴史に詳しい静岡福祉大学名誉教授の小田部雄次さんに解説してもらった。
「元明天皇は、古代の日本社会の安定と繁栄を支えました。奈良の都の造営、現存する最古の歴史書である『古事記』の完成、古代の地方情勢を記録した『風土記』の編纂、日本最古の流通貨幣とされる和同開珎の鋳造など、元明天皇は数々の功績を残しているのです」
女性天皇への反対意見のなかには「女性に天皇の重責は務まらない」といった声もあるが、元明天皇はそういった主張を覆す存在とも言えそうだ。
「しかも元明天皇は、娘の元正天皇に皇位を継承しています。母娘で動乱の時代を安定に導いたのです。
当時、天皇の血を引く男系男子がいなかったわけではありません。それでも2代続けて女性天皇が誕生したのは、ほかの男系男子よりも天皇にふさわしいと認められたからでしょう」(小田部さん)
式年祭にあたり両陛下は元明天皇について資料を読み込まれたという。12月21日には、皇居・御所に丸山裕美子・愛知県立大教授を招き、元明天皇の事跡について説明を受けられた。