2022年2月6日 06:00
鎌倉殿の時代に横行していた人身売買 戦国時代には日本人が奴隷として海外に売られていた!
このときの将軍は藤原(九条)頼経、執権は北条泰時(義時の長男)だった。そして、歴史書『吾妻鏡』には、同年(1239年)5月に幕府が人身売買を再び禁止したことが記されている。
その後、鎌倉幕府が滅亡し、室町時代となった1300年代中盤以降、日本人が近隣諸国の外国人を連行してきて、国内で人身売買を行い、さらには日本人も奴隷となって海外へと売られていく時代になっていく、と渡邊さん。
「14世紀~15世紀にかけて、主に日本人が朝鮮半島や中国大陸沿岸を襲い、現地の人を連れ去り、食料などを盗むといった海賊行為が急増していきます。中国や朝鮮の人は、この海賊たちのことを“倭寇”と呼び、倭寇に連れ去られた人たちは、日本国内で人身売買されることが常態化していくのです」
さらに戦国時代になると、国内の合戦の場では“乱取り”といって、どさくさに紛れて人を連れ去ったり、物を盗むことが横行したという。
「豊臣秀吉の時代に、戦が続いていた九州では、ポルトガル商人による日本人奴隷の売買が問題になります。日本人奴隷を船に乗せて東南アジアなどをまわって転売していくんです。当時、ポルトガルはマラッカやインドのゴアなど多くの植民地を持っていたので、格安で手に入れた日本人奴隷を寄港した先で売って、そこで使役させていました。