2022年2月6日 06:00
社会問題生み出すことも…80年代に革命起こした「ウォークマン」の誕生
同時に流行ったのが、オリジナルのカセットテープ作りだ。
「みなさん、好きな曲や聞かせたい曲をテープに録音して、恋人に贈ったり、友達と貸し借りしたのではないでしょうか。どんな音楽を聴いているかで、性格やセンスがわかるものですが、『ベストヒットUSA』が流行っていた当時は、ちょっと背伸びをした小学生が、洋楽でオリジナルテープを作ったりしていました」
カセットテープ自体の種類も豊富で、とくにお気に入りの曲は、ノーマルテープよりも少し高価なテープに録音したものだ。
「音の違いもよくわからないのに、『メタル』や『ハイポジ(ション)』がカッコいいからと、無理して高価な金色や銀色の包みのテープを使ったりしていました」
通学途中にウォークマンで音楽を楽しんでいた人も多かったが、それが社会問題にもなった。
「イヤホンやヘッドホンからの音漏れが原因で電車内でトラブルになったり、歩行中に車のエンジン音が聞こえず、クラクションを鳴らされる人も見られました」
そのせいもあるだろう。ボタン一つで音量を落として会話できる機能や、手元で再生や一時停止ほかの操作ができるリモコンなど、製品も進化していった。
「重低音調整や、オートリバースなども次々に装備され“次の商品には、どんな機能が?”と楽しみでした。