【節約】相次ぐ値上げで食費負担「月9691円」増…対処法は?
「4月以降も続々と値上げが発表されています。原材料費が値上がりしていること、原油価格高騰により製造、流通のコストが上がっていることなどが大きな原因です。新型コロナの影響に加え、ロシアによるウクライナ侵攻など、世界情勢が不安定な状況であることから、今後さらなる物価上昇が続くと予想されます」
こう警鐘を鳴らすのは、消費生活アドバイザーの和田由貴さん。
新年度を迎えた4月1日以降、ミツカン(78品目を約3〜13%・6月1日〜)、明治(スーパーカップなど94品目を約2.4〜8.6%・5月1日〜)、メルシャン(ワインや焼酎など約340品目を約8〜10%・7月1日)など、食品、飲料メーカーが相次いで値上げを発表。
コンビニでもセブン—イレブン(弁当や総菜など約60品目を約2〜15%・4月初旬〜)、ファミリーマート(コロッケなど10品目を約3〜12%・4月5日〜)と、大手が値上げに踏み切った。
「コンビニやスーパーでは今後、ほとんどの商品が値上げされる可能性があり、食費のさらなる負担増が危惧されます」(和田さん・以下同)
そこで本誌は食品の値上げによって食費がいくら増えるのか?朝食、昼食、夕食ごとにシミュレーションしてみた。
その結果、おやつ、晩酌も合わせて1人あたりの食費は1日で156.3円増加。1カ月(31日)で4,845円。
夫婦2人ではじつに9,691円の負担増となることがわかったのだ。
【メニュー例】食費は1人あたり156.3円増加する/日
■スーパーで特売野菜から買うのはNG!
この食費負担を少しでも減らす方法はあるのだろうか?
和田さんによると、食材を安く買うことも重要だが、“食品ロス”をなくすことこそが、節約に大きな効果をもたらすという。
「食品ロスの約5割は野菜。これに果物を合わせると約7割になるといわれています。野菜や果物はしなびたり、傷みやすくて足が早い。まず、余分に食材を買わないことを意識しましょう」
そこでポイントとなるのが、買い物をするときの順番だ。
「スーパーなどに行くと、入口付近に野菜や果物が特売品として並べられていて、すぐにカゴのなかに入れてしまいがちですが、これが無駄な買い物につながります。まずここは素通りして、肉や魚といったメインの食材を決めてから、最後に付け合わせなどで必要な野菜をカゴに入れる。
買い物の順番を変えるだけで余分なものを買うことが減るため、節約と同時に食品ロスも減らせます」
さらに、お酒類やインスタント食品などの、値上がり前の“買いだめ”はやめたほうがいいと、和田さん。
「たとえば、缶酎ハイなどを箱買いでストックしておくと、ついつい“もう一缶だけ”と、飲んでしまいがちです。カップ麺やお菓子なども同様で、余分に置いてあると、それほど食べたくなくても、ちょっと小腹がすいただけで“食べようかな”という気になってしまいます。消費が増えると、結果的にまた買い足すことになる。買い置きは一見お得なようで、食費の支出を大きくする可能性があるため、注意が必要です」
ふだんの買い物習慣を見直して、値上げの波を乗り切ろう!