そうなれば、私たち国民の生活を脅かすほどの税金が必要になることでしょう。また、相手が攻撃しようとしているという情報が誤っている可能性もある。実際に、米国がイラクに侵攻したきっかけは誤った情報によるものでした。その場合、日本から侵略行為をすることになってしまいます」
敵の“中枢”を攻撃した場合、当然敵も躊躇なく日本の“中枢”に反撃してくることになる。安倍氏の構想は非現実的なばかりか、いたずらに国民を戦禍に巻き込むリスクを高めるものだという。
■ウクライナ戦争に便乗する「核共有」論
2月24日のロシアの侵攻によって始まったウクライナ戦争は、いまだに終戦の兆しが見えない。
侵攻に前後して、冒頭の安倍氏の発言のように、政治家や一部の識者が、“軍備”増強の必要性を喧伝する声が大きくなっている。
【自民党安倍晋三元首相】
〈核シェアリング(核共有)を含め、様々な選択肢を議論すべき時に来ています〉(『文藝春秋』2022年5月号にて)
【橋下徹元大阪府知事】
「核シェアリングもやっぱりこれからの日本で議論していくべき。
NATOは現実、核シェアリングをしているからロシアも簡単には手を出せない」