2022年5月10日 15:50
西川美和監督が訴える映画界への支援の重要性「多様な作品に触れる機会がなくなる」
と明かす。その中でも、ミニシアターへの支援が重要だと語る。
「芸術的価値、世界的な評価の高い映画や、日本と交流機会の少ない遠い国で作られた映画、過去の名作のリバイバル上映をしてくれるミニシアターは、映画を観る目や文化の多様性や歴史を読み解く知性を培ってくれる重要な場所であるはずです。図書館同等に多くの市民や学生、子供達にとって身近な場所であれば良いと思います。
かつて日本にはミニシアターがたくさん存在し、東京は“世界一多様な映画が見られる都市”と海外の映画人からも羨ましがられていました。しかし現在、シネコンチェーンがヒット作を独占し、ミニシアターは非商業的な映画だけで少ない集客の中でやりくりしています。
ミニシアターをコロナ禍の影響下で潰れるがままに放置すれば、日本中、どこのスクリーンも同じ映画が一日中かかるばかりで、多様な映画に触れるチャンスはなくなると思います」
■監督の問題だけではない。映画産業や社会全体にもデメリットが
映画監督をめぐる経済的な問題は複雑に絡んでおり、解決するべき課題は山積みだ。
しかし、こういった現状が映画産業だけでなく、日本社会にもデメリットをもたらすのではと西川監督は危惧している。