2022年6月2日 06:00
2カ月「国会中継」なしのNHK 言い訳は「大相撲放送」の要望もあるから
「国民の関心が高くテレビ中継すべき委員会でも、議論をオープンにすれば反発を招きそうな内容については、与党としてはなるべく国民に知られないうちに進めたい。野党側が、『これは国民に知ってほしい』と与党側に交渉を求めても、テーブルにつくことすら拒否されることも少なくありません」
一方、近年のNHKは慣例から外れた中継の要請を国会にすることもなく、予算委員会や集中審議がない期間は、国会中継の空白が生まれることになる。
■「政府与党は審議を拒んでいる」
テレビ中継がなかった期間、国会で重要な審議が行われていなかったわけではない。むしろ、日本国のこれまでのあり方を一変させるような議論が進んでいたのだ。日本共産党所属の参議院議員の山添拓さんはこう語る。
「ウクライナ侵略に乗じて危機感をあおり、戦争できる体制を整えようという動きが加速しています。憲法審査会では、9条改正や、すべての権力を政府に集中させる緊急事態条項、さらには敵基地攻撃能力の保有や核共有の話まで出てきて、軍事には軍事で対抗するんだ、という政治の役割を放棄するような議論に終始しています。また、政府指定の企業や研究機関に指定基金から政府が資金提供して、軍事に役立つ開発をさせる“経済安全保障推進法”が可決されました。