2022年12月26日 15:50
自由に、心のままに絵筆を動かす「芸術家・蛭子能収」という原点回帰
その体験から蛭子さんはこう思ったと過去に話していた。「絵なんてものは、見る人が“これは面白い”と思う絵がいいんだ」。
それが一世を風靡した蛭子流のヘタウマの原点だという。
その後「食べるため」に看板屋、チリ紙交換、ダスキンの営業などさまざまな職業を経て、漫画家、タレントに。ところが、それまで蛭子さんが作り上げてきた、金を稼ぐための「才」を認知症は奪い取っていった。
蛭子さんは今、中腰の姿勢のまま、赤い絵の具を載せた絵筆を、キャンバスの上で動かしている。
次々と色を変え、夢中でキャンバスを塗りつぶしていく。下絵はない。
構想もない。金のためでもない。そこにあるのは、誰かに“これは面白い”と思われるためーー。蛭子さん10代の頃に戻ったように、無心に絵と向き合っている。
認知症は、人から多くのものを奪い去る。しかし、そんな病でも、持ち去ることができないものがあると信じている。
描き上げた作品に、蛭子さんはタイトルをつけて、キャンバスの裏に丁寧に書き留めたーー『ただいま』と。
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