くらし情報『【虐待を食い止める その4】保育所で、家庭でーー心身に傷を負った子どもが、虐待のトラウマに苛まれない明日を』

2022年12月31日 15:50

【虐待を食い止める その4】保育所で、家庭でーー心身に傷を負った子どもが、虐待のトラウマに苛まれない明日を

児童養護施設や子ども食堂などのボランティア活動を通して、ネグレクトや虐待を受けてきた多くの子どもたちに接してきた実感として石川氏はこう話す。

「虐待に遭ったお子さんはとかく悲惨なキーワードで語られてしまう。ですがそうではなく、子どもなりに、理不尽な記憶と葛藤を抱えながらも、周りの大人の支えがあって立ち直って立派に自立して生きていくケースも少なくはありません。そのためにも、傷ついた子どもたちを周りの大人がどうフォローするかを考えなければなりません」

フォローどころか、昨今は虐待やネグレクトが問題になった家庭を排除する風潮があるという。『あの子の家はネグレクト家庭だから距離を置かなければ』『あの人は虐待家庭で育ったから、自分が親になったら子どもを虐待するよ』などと偏見の目を向ける人も少なくないと石川氏は指摘する。

「親と子は別の存在なのだと認識することが大事です。『あんな家の子と遊んではダメだ』とか、『親がこんなとんでもないから、子どももダメな人間になる』という偏見を持たないでほしい。その上で、子どもは大きな可能性を秘めた存在ととらえて下さい。
困難や苦しみ悲しみがあったとしても、それでも人はそれを乗り越えて生きていくのだということを前提に、自分のお子さんだけではなく、子どもはひとりひとり守られるべき存在であるという、社会的な目線で見てあげていただきたいのです」

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