2023年1月23日 06:00
50カ国超に渡航した映像ディレクター語る恐怖体験「ソ連に虐殺された人たちの亡霊が…」
『映像ディレクター越智は見た(1)世界怪奇録』
「玄奘(げんじょう)三蔵(三蔵法師)が経典を求めたインドへの旅を取材したときのこと。大物俳優と一緒に撮影に行ったんですが、最初はキルギスと中国の国境にあるベデル峠を撮影に向かったときのことです」
そう話し始めたのは、これまで世界50カ国以上に渡航し、世界中で20年にわたって取材してきた映像ディレクター・越智龍太さんだ。
「ここはソ連の革命の際にロシアから逃げる人たちが大量に虐殺されたといういわくつきの場所で、ここに大量の亡霊が出るという。しかも場所が国境のため緊張地域で、標高も4千メートルという難所でした。我々は亡霊の話など忘れており、1日だけ出た撮影許可をもとに峠に向かいました。
そこでスタッフが峠を撮ろうとカメラを向けると、画面越しからは人影が大量に見えるではありませんか!恐ろしさにその場を急いで切り上げホテルに戻って映像をチェックしましたが、何も映っていなかったのです……」
キルギスで経験した不思議体験はこれだけではなかった。
「次に玄奘三蔵の歩んだ道をたどるべく、今度はキルギスの西にあるイシク・クル湖に来ました。この湖の底には玄奘も訪れたという仏教施設があるというのです。