2023年6月26日 11:00
4年ぶりのエルニーニョ現象で家計圧迫、景気停滞の懸念も
「当時は記録的な冷夏で、国内では農作物が不作となり、海外から初めて米を輸入した“平成の米騒動”が起きました。この年と同程度の影響が出たと仮定すると、家計支出の前年からの負担増分は、金額にして1人当たり1カ月で1千239円。夫婦世帯では約2千500円増える計算になります」
’93年当時に比べ、食料品の相次ぐ値上げに見舞われているなか、同等のダメージが家計におよぶことも十分考えられるという。
そして、負担増が懸念されるのは食品関連だけではない。今夏予想されている“猛暑”による冷房需要の増大もその一つ。
「連日気温が高くなると、エアコンに頼らざるをえません。電力料金が値上がりしているなか、猛暑によって光熱費がかさんでしまうことも考えられます」 記録的な猛暑に見舞われた場合、電気代の爆上がりに直結してしまうのだ。
さらに永濱さんは、エルニーニョの影響による家計への負担が景気の停滞を招くことを懸念する。
「ようやく経済が少しずつコロナ禍前の状態を取り戻しつつあるなかでの物価上昇は、消費者マインドを冷え込ませる恐れがあります。外食産業やレジャー産業への影響も小さくはないでしょう」
値上げラッシュにエルニーニョが拍車をかけるなか、私たちには、家計を守るためのいっそうの工夫が求められることになるのだ。
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