“飼育放棄”の8割超が高齢の飼い主…深刻化するペットの置き去り
「リードにつながれた状態のまま、毛が抜け落ちてしまっていたり、爪が伸び放題になっているというケースも珍しくありません」
このような事態が発生してしまう背景の一つに、70代、80代になった人が年齢の若い犬や猫を飼い始めることが挙げられる。たとえば、夫や妻に先立たれて一人暮らしとなり、寂しさを紛らわせるためにペットショップでかわいい子犬や子猫を買う。あるいは、子どもや孫からペットの飼育をすすめられて飼い始めるパターンなどがある。その飼育途中で飼い主が高齢になり、体調を崩すなどして面倒を見る人がいなくなり飼育放棄に至るケースが後を絶たないのだ。
「ペットは飼い主がいなくなるとショックとストレスから食欲を失うなど衰弱してしまうんです。人間はペットを失うと“ペットロス”に陥るといいますが、その逆の“飼い主ロス”だって同じようにある。彼らだって悲しい思いをしているのです」
では、飼い主の高齢化によるペットの飼育放棄や置き去りを防ぐための対策はあるのだろうか?
「日本人の“健康寿命”は男女平均で74.1歳。もちろん個人差はありますが、ペットを飼うのであれば、自分が健康でいられる可能性が高い、75歳までには看取れるペットを逆算して飼うことです」