千堂あきほ『振り返れば奴がいる』衝撃のラストは織田裕二さんの「やっぱり最後オレ○にたい!」の一言で決まった
覚えた台本が、急遽書き換えになることもあった。
「織田さんから『司馬は、ここではこう言うんじゃないのか』と提案があるんです。だから前の晩にせっかくセリフを覚えても、翌日にスタジオ入りすると別紙を渡されて、新しいセリフを覚えなければいけない。ベテランの鹿賀丈史さんでさえ、書き換えられた長ゼリフに苦しめられ、『何回かに分けて撮影してくれ』と頼んでいたことも」
このように、織田は作品に対し妥協をしなかった。
「いろいろなアイデアが出るから、どうしてもテイクが増えます。夜中になって『もう一回、やらせてください』となると、正直、“もう、勘弁して!”って思ってしまったり(笑)」
だが、そのこだわりがあったからこそ、完成度が高められた。
「最終回で司馬が刺されてしまう象徴的なシーンも、急遽決まったそうです。織田さんが『やっぱり、最後はオレ(司馬)、死にたい』と言いだし、三谷幸喜さんが西村雅彦(当時)さんに『じゃあ、お前が刺しちゃえよ』と言って、本を書き換えたと聞いています」
撮影現場では、終始、厳しい表情の織田だったが、打ち上げではさまざまなプレッシャーから解放されたようだ。
「司会も買ってでるほど、ノリノリ。