くらし情報『「実はベーシックなヒーロー物語」、宮崎監督の“難解作”『君たちはどう生きるか』が欧米で高評価な理由』

「実はベーシックなヒーロー物語」、宮崎監督の“難解作”『君たちはどう生きるか』が欧米で高評価な理由

■日本とはタイトルが変わっている

「日本で難解ととらえられたのは、おそらくタイトルの影響もあると思います。吉野源三郎による小説『君たちはどう生きるか』が原作であると、最初に刷り込まれてしまっていたので、『いったいどういう話になるの』と戸惑ってしまった面はあるでしょう。あえて宣伝をしなかったこともあり、観客がどんどん裏読みしてしまい、難しくとらえすぎてしまったのです。蓋を開けてみれば、宮崎さんの自伝に近い内容だった(笑)。

いっぽう英語圏でのタイトルは『The Boy and the Heron(少年とサギ)』と非常にシンプルです。少年がサギと出会って、異界で冒険を経て成長していくストーリーだということがわかりやすく伝わったのだと思います」

“ヒーローの成長物語”として素直に受け止められたのには、タイトル以外にも理由があるという。「神話学者のジョーゼフ・キャンベルは、世界中の神話はおおよそ1つのパターンに基づいていると提唱しています。それを映画に応用するために、ストーリーコンサルタントのクリストファー・ボグラーは、ストーリーを12のプロセスに整理したのです」

竹内さんによれば、それは下記のようなものだという。

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