1ドル160円の衝撃!《巨大ロボが春日部を破壊》《「ゴジラ」襲来で財政破綻の国難》も…フィクションで描かれた円相場
金太郎はアラブ諸国から集めたオイルマネー5千億ドルを円買いに突っ込む。その直後のレートが1ドル=157円だ。やがて150円を割り込む円高に振れ、国難を救った。
現実の政府・日銀による為替介入は4月29日が5兆円、5月2日が3兆円規模と報道されている。一介のサラリーマンである金太郎の投機は、国策をはるかに凌駕する。連載当時の実際のレート(2005年度末/1ドル=117円47銭)で比べると、7倍規模だ。
■通貨の番人顔負け
一級のスナイパーも、この国の財政破綻を水面下で阻んでいた。ハードボイルド劇画の金字塔「ゴルゴ13」。
第556話「地獄のダンサー」(2015年)にある。
政府・日銀はデフレ退治で国債を大量に買い入れ、発行残高の3割を保有しているという現実さながらの設定だ。「日銀に喧嘩を売るゴジラは現れませんよ」と侮る日本に対し、ヘッジファンドの女性マネージャーは国債を売り浴びせる。デューク・東郷の銃弾が、その野望をくじいた。ちなみに、現実の日銀が保有する国債は5割を超えた。含み損は利上げ次第で自己資本を超え、日銀が債務超過に陥る恐れすらある。やはり、現実は奇なりだ。
東郷は第328話「オフサイド・トラップ」