ブル中野 伝説のエチエチドラマ『毎度おさわがせします』中山美穂との思い出
こうした俳優陣に、演技経験ゼロでぶつかっていった。
「私の出番はドタバタの乱闘シーンで、セリフも『テメー、コノヤロー』くらい。ダンプさんも台本を読んだりしないし、打ち合わせもろくに聞いていなかったから、スタッフから怒られました。撮影は私服だったのですが、お金がなかったので、すってんてんのズボンにありえない色の靴下をはいていたりして、映像で振り返ると恥ずかしくなります」
忘れられない大失敗は、大雪の日の撮影だ。
「電車が止まって4時間くらいの大遅刻。プロレスなら殴られて終わりですが、さすがに俳優さんはそんなことしません。むしろ“殴ってください”という気持ちで、申し訳なさすぎて謝ることもできませんでした。あとから聞いたら、私を待っている時間、マネージャーがスタッフからすごく怒られたそうです」
だが、長い撮影期間を経てスタッフとも絆が生まれ、撮影の最終日には花束を贈られた。
「まるで女優さんみたいに扱ってくれて、すごくうれしかったですね。プロレスでは悪役で嫌われ者でしたが、ドラマに出たことで、そうした見方もすごく変わったと感じました」
『毎度おさわがせします』(TBS系、1985~1987年)