「これほどに意識の差があるのか」監督のインティマシー・コーディネーター拒否問題で絶賛集める“ベテラン俳優のエッセイ”
一方、この問題を受けて、ある俳優がインティマシー・コーディネーターについて書いたエッセイを思い出す人が多くいたようだ。その俳優とは高嶋政伸(57)だ。高嶋は、文芸誌『波』24年4月号の連載エッセイで、ドラマ『大奥』(NHK)で自分の娘に幼い頃から性的な暴行を加える父親役を演じた際の話を寄稿し、こう明かしている。
《僕にとっても娘役の俳優さんにとっても心身ともにハードな現場になるのは明らかでしたので、お受けするにあたって僕は必ず「インティマシーコーディネーター」さんを付けてください、とお願いしました》
同エッセイで、高嶋は加害者役を演じる上での葛藤を打ち明けた上で、インティマシー・コーディネーターの役割と、その必要性を説いている。
《僕に娘がいたら、とても演じられない。その言葉が浮かぶと同時に、彼女にこれから起こることが頭を駆け巡り、不意に涙が出そうになりました。現実世界でこのようなことは決してあってはならないと、胸が苦しくなり、そしてこの時に改めて、インティマシーコーディネーターという存在の意義、大切さを、身をもって理解しました。作品に関わる全ての人間の心に寄り添い、人間の尊厳を守りながら、この異常なシチュエーションをベストに撮影するためには絶対になくてはならない存在です》
この高嶋のエッセイはXユーザーから、《インティマシーコーディネートの必要性に対する認識が高まった。