アフリカの子供の命のために有り金はたき…92歳女性の決意
『なんとかして助けたい』。心に浮かんだのはそれでした。だからマサイラマで何かに突き動かされるような気持ちになったとき、私がやるべきことはあの子どもたちを助けることだと確信したのです」
吉田さんの支援活動はそこから始まった。東アフリカの子どもを救う会「アルディ・ナ・ウペポ」(スワヒリ語で「大地と風」)を作り、’94年、ケニアに児童養護施設「グリーニッシュハウス」を、’95年には職業訓練所を作る。
「ハウスの空き地に畑を作って男の子には農作業、女の子にはビーズやカード、ソープストンという天然石を使った飾り物づくりを教えました。収穫物や作品は販売し、その売り上げを子どもたちがハウスを出るときに、支度金として渡すのです」
その後、ケニアの西隣にあるウガンダで、反政府ゲリラに誘拐される子どもたちを守るためのシェルターと職業訓練所を設置。
「ウガンダの子どもたちは昼間、草むらに潜み、夜になると誘拐されないような場所に列をなして避難してくる。幼い子たちが民家の軒先や駐車場で寝ている姿を見て、どうしても屋根のある寝場所を作ってあげたくなりました」