座間事件「実名報道はやめて!」黙殺された遺族たちの嘆願
そんな要請があったにも関わらず、23歳女性の実名は報じられ続けたのだ。
「10日未明に、残り8人の身元が判明したことを警視庁は会見で発表しました。そして遺族たちからの文面を報道各社に配布したのです」
それは8人の被害者たちの遺族や、遺族が依頼した弁護士たちによる9枚の“要請書”だった。冒頭で紹介した福島県の17歳高校3年生の母親による直筆書面も、そのうちの1枚だ。遺族たちが求めていたのは取材の自粛と、顔写真や実名報道をやめることだった。
《どうか、私達の気持ちを考えていただき、娘の実名・写真掲載による報道は一切ご遠慮ください》(神奈川県の21歳女性の母親)
《今後とも本人及び家族の実名の報道、顔写真の公開、学校や友人、親族の職場等への取材も一切お断り致します》(群馬県の15歳高校1年生の遺族たち)
このように被害者遺族たちが団結して強く要請したにも関わらず、実名・顔写真報道は続けられたのだ。
「遺族に配慮して匿名報道を続けたのは一部のスポーツ紙ぐらいでした。