現役テレビ局ADの“ハードな日常”を描いた笑える漫画
という状況。果たしてどんな方法をとるのか、どんな結末が待っているのかは、ぜひ実際に読んで確かめてもらいたいけれど、悲惨なはずの状況も、絵のタッチと切り取られ方によって、笑いながらページをめくってしまう。
終始笑えるトーンで描かれている作品だけれど、最後の十一話目だけは、少しだけ異なっている。
企画取材で知り合ったおばあさん、「あおちゃん」との出会い。戦死したお兄さんの写真を大切に持っているあおちゃんとのやりとりには、つい涙ぐんでしまったし、実際にオンエアされた番組を見たかったなあと心から思った。
どんな一瞬の映像であっても、そこには作り手たちが存在している。もちろんテレビ業界にかぎったことではなくて、あらゆるものに当てはまるのだが、自分も頑張らなくてはいけないな、と改めて思わされるし、テレビを見る目が変わってくる。
親しくて遠いテレビの世界が、読む前よりもずっとリアルに感じられるし、見えないところで働く人たちに、エールを送りたくなる。
反対に、エールを送ってもらっているような気持ちにもなる。
また、さらに別の知りたい部分が生まれてくる作品でもある。