新版『広辞苑』執筆芸人が語る「『ボーイズラブ』は僕担当です」
日本でもっとも売れている半面、日本一クレームの電話がかかってくる辞書でもあります。作業はかなり重圧でした」(タツオさん・以下同)
日本語学者の顔をもつタツオさんは、第七版の執筆者の1人として名を連ねている。
「画期的なのは僕が担当したなかで『少年マンガ』『少女マンガ』『ボーイズラブ』などが新たに収録されたこと。また『二次元』という項目に《アニメ・ゲーム。また、そのキャラクター》という説明が追加されたり、『アニメ』という項目のなかに、『――ソング』という形の小項目が加えられたりしたことです」
原稿を仕上げたあとは、編集者の手に渡り、発刊されるまでは、タツオさんでも、何が収録されたかわからなかったという。
「できあがりを見て『ヤバイ』『お姫さま抱っこ』『チャラい』などの新語が入っていて、これまでの『広辞苑』と比べても、かなり柔らかくなった印象を持ちました。無口で父性の権化だった人が、聞き分けがよく、温和になったような印象です」
『広辞苑』には、ほかの辞書には載っていたり、一般的に使われていたりする言葉でも、“ふさわしくない”と未収録になっているものも少なくない。