相撲を「国技」と呼ぶ本当の理由とは?実は“あやしい”日本の伝統
■関連する各業界に御利益をもたらした「初詣で」の風習
旧暦でも新暦でも「一年のはじめ」は必ずあり、神社仏閣も古くからある。とすれば、“初詣で”も大昔からあったと思うのは当然だが、現在のように好きな日に好きな寺社にふらっとお参りするスタイルが定着したのは120年ほど前からだという。
「明治時代に入り鉄道の敷設が始まると、気軽に地方の寺社参詣ができるようになりました。そこで、当時の新産業である鉄道会社が考案したのがいまの初詣で。そして、こちらも当時の新産業であった新聞社に『初詣では◯◯へ』と広告を掲載。寺社、鉄道会社、新聞社すべてに商売上のメリットがあり、初詣での習慣が定着していったんですね」
■「重箱にお節料理を詰める」のは百貨店の販売戦略
節会(祝いの日)の料理としての「お節料理」は奈良時代からあった。いっぽう重箱は室町時代からあったが、一般庶民に広く使われるようになったのは江戸時代から。
「正月のお節料理を重箱に詰めるようになったのは、幕末からですが、完全に定着したのは明治時代になってからのことで、百貨店による販売戦略がきっかけなんですよ。