「体罰は当たり前」日大アメフト部OBが語る“暴力の伝統”
篠竹監督、コーチ、上級生からはもちろん、同級生同士でも殴り合いがありましたね。当時、内田さんはコーチでした。その時から厳しい人でしたが、篠竹監督のような独特の怖さはなかった」
篠竹元監督は生涯独身を貫き、学生寮に選手とともに住んでいた。練習時はもちろん、寮の中でも些細な理由で、鉄拳が飛んできた。
「選手と監督は一緒に風呂に入るんですが、そこで必ず監督と話をしなければならない。話がおもしろくなかったり、つまらないことを言ったりすると、容赦なく殴られました」
篠竹元監督のもとで、選手とコーチを経験した内田前監督は“伝統”をしっかり引き継いだようだ。暴力的な指導は日大アメフト部の60年来の“伝統”となってしまっていた。だが、篠竹時代とは違う点もあるという。
「内田さんは選手との『コミュニケーションはほとんどない』と会見で話していました。宮川くんも監督と『そもそもお話する機会がない』と。篠竹監督にはもちろん口答えなんてできません。でも、監督はいつも選手のそばにいました。そこが、いまのアメフト部との決定的な違いです。